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堅田 元喜; 永井 晴康; 植田 洋匡*; Agam, N.*; Berliner, P. R.*
Journal of Hydrometeorology, 8(6), p.1307 - 1324, 2007/12
乾燥・半乾燥地域における熱・水交換過程を良好に予測する鉛直一次元の土壌モデルを開発した。このモデルには、土壌中の蒸発及び吸着を計算する新しいスキームが導入された。このモデルは、イスラエルのネゲブ砂漠において観測された地表面フラックス,土壌中温度及び土壌水分量を詳細に再現しうる。土壌中の蒸発及び吸着過程は、大気-陸面間の熱・水交換過程に大きな影響を与えると同時に、これらの予測には必要不可欠である。開発したモデルと広く用いられる陸面モデルを用いて、土壌の乾燥過程に関する数値実験を実施した。土壌中に乾燥層(DSL)が形成されるとき、大気への水蒸気フラックスは地表面よりもむしろ土壌中で生じた蒸発によって引き起こされる。また、吸着過程が地表面における水・熱バランスに影響する。日中の上向き水蒸気フラックスは、夜間吸着によって土壌に蓄えられた乾燥層内における土壌水の蒸発による。DSLが十分に発達したとき、大気-地表面間では等量の水が日中の蒸発及び夜間の吸着によって交換される。この場合、土壌中蒸発と吸着に伴う潜熱が地表面温度の日変化を大きく減衰させる。